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シシシッ…
ドルルンッ…ゴオォン!
バイクのエンジンをかけ、跨がる男は吹っ切れていた。
散々に偽物扱いされた男はハンドルを握りヘルメットをかぶる。
ユグドラシル本部基地を後にした男は次に行く当てもなく、仕方なくとりあえずEUに向かう事にした。
/////
【EU連盟港】
男は一日かけて船を乗り継ぎ、愛用バイクを輸送し、無事にEUにたどり着いた。
『さぁて、まずは…ッッて行く当てもないなぁ…兄さん捜すッッてもさぁ…情報だけで本当にいるか…』
男は路地にバイクを止め、立ち位置を確認しながら地図を広げる。
方向音痴。
彼はそんな才能?を持っている。
地図もあってもなくても彼にとっては同じである。
男は蜘蛛の巣のような地図を見るなり頭をかき、難しい表情を作る。
『とりあえず適当に行ってみるかな~』
とんだ選択をした男は地図をたたみ、バイクに跨がりエンジンをかける。
シシシッ…
シシシッン!
『あれ?』
シシシッン…
シシシッシシシッ…
いつもと違った音…
まさかッッ…
『おぃッッマジかよ!』
バイクのエンジンがかからない…
故障…!?
『勘弁してくれよ…何でこんなときに…』
男は嘆いた。
これからまた長旅があるのに…
バイクが故障!?
男は素直に諦めバイクを降りる。
『どーしよ…』
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