嘘に秘める再来

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この頃波瀾万丈… 本当ヘコむ。 男は顔を真っ黒に染めながらバイクをチューイング…いや修理していた。 どうも直る気配もない… 修理費にまたかかる… 本当バイクにお金かけてる… 仕方ない… 運ぶか… 男は立ち上がり背伸びをしてみせた。 クイッ… 男のズボンが何だか引っ張られた感じがした。 『?』 クイックイッ… 男は何か違和感を感じ目を後ろに背ける。 男が目をズボンに向ける。 確かに違和感ではなかった。 男のズボンの裾を女の子が握っている。 緑髪のくせ毛で目も緑色。 顔もかわいらしくなぜかボロボロの布を羽織っている。 歳はわずか小学校一年生くらいだろうか… こちらをキラキラの眼差しで男を見ている。 男はしゃがみ込み、女の子に顔を近づけた。 『迷子?』 男は優しくそう聞いた。 しかし女の子は首を横にブンブン振った。 男は頭をかき次の質問をする。 『お名前は何て言うのかな?』 微笑み優しい表情で。 女の子は裾をにぎりしめたままポツリと答えた。 『フローゼン』 女の子はそれだけを答え、指をくわえた。 フローゼン…どっかで… 男は聞き覚えのある名前に首を傾げた。image=157609782.jpg
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