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とは言ったものの夜は更け、EUの時間…わずか8時…
男はバイクを止め、壁に寄り掛かり座る。
きつい…
工場まで一日かかるとは…
つか工場どこだ…?
男の気力は抜け、俯いている。
バイクは相変わらず動かない。
『ハァ…野宿かなぁ…』
男は嘆いた。
フローゼンはそんな男の表情を見るなり、抱いていたフランスパンを男に差し出す。
『食べる?』
男は微笑みフローゼンの頭を撫でた。
『ありがとう…でもイイよ。俺はまだ大丈夫さ…』
『元気…ない。んー元気!元気!』
フローゼンは指差し、男を“んー”と呼んだ。
そうか…
男は思った。
名前…教えてなかったね…
これから長くいそーだし…
男はゆっくりと立ち上がり、手でズボンについた砂を叩き落とす。
そしてフローゼンをまた撫で、キラキラと輝くフローゼンを見て、男はこう自己紹介してみせた。
『俺の名前は…“オーシャン”!……ユグドラシル・ニーズヘッグメンバー…“オーシャン・R・ストルマッシュ”』
…と。
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