258人が本棚に入れています
本棚に追加
/1919ページ
『フローゼン…君はどこから来たの?』
男…いやオーシャン・R・ストルマッシュは言う。
フローゼンは首を傾げ、目を反らす。
『わかんない。覚えてない』
『やっぱり…』
オーシャンは頭をかいた。
『記憶喪失の可能性もある。それに…やっぱり君の名前には引っ掛かる。しかし…こんなに小さい女の子が一人でいるのもおかしいし…。それにマントのような旗…模様も気になる』
オーシャンはフローゼンに巻いてある布に手をかけ、不思議なマークを目にする。
もう文字が薄れ、何て書かれてあるのかさえ解らない。
とにかく今のオーシャンにはただの汚い布以外には何も見えないのである。
『フローゼン、この旗…なーに?』
『わかんない…。でも捨てちゃ駄目。大切な物だから。大切な物だから』
フローゼンは旗と共にフランスパンを包み、ガシッとしがみつく。
オーシャンはそんなフローゼンを見て微笑みかけた。
そうか…
『大丈夫。誰も取りゃしないさ…』
『本当!?』
『あぁ…本当だよ』
オーシャンはフローゼンの頭を撫でた。
フローゼンの表情に癒されるオーシャン。
そんな二人に間を刺すように一人の男が近づくのであった。
最初のコメントを投稿しよう!