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そうあれやこれやと一年戦争が終戦し、FISEは武力を捨てた。
…のだが…
男は墓参りをした後にこじんまりとした町のロードを歩いていた。
お金もそぅ贅沢に使える時代ではない…
買いたい物も迂闊には買えない…
なにかと燃料代がかかる。
男が両手で押しているのはバイク。
趣味はバイク。
彼はいつも乗り回すライダーである。
人通りが少なくともこのロードは禁止区域…
バイクはもちろん乗れない。
男はフラフラと何かを目指しながら足を進める。
『号外!号外だよぉ!久々に軍新聞だよォ~!』
男は何か声のする方へ顔を向けた。
何か一人の女性が新聞を配っている。
なんだろう…
男はバイクをゆっくりと押し、女性へ近づいた。
新聞はたちまち無くなり、その一部は見事に男の手に渡った。
男は一先ずバイクを押しその場を離れる。
ふと足を止めバイクに跨がり新聞を広げる。
新聞一面に写る記事…
そんな記事に思わず男は目を見開いた。
そう…記事にはこう記されていた。
《ユグドラシル最新鋭空艦ニーズヘッグ!アメリカ基地に降りたつ!》
…と。
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