4196人が本棚に入れています
本棚に追加
/394ページ
あたしは、躊躇することなく、ななかを堕ろすことを望んだ。
なんて、残酷な母親なんだろう。
ななかは望んで身篭った子じゃなかった。
自らの過ちで出来た、イラナイ神様からのプレゼント。
女医は、驚いた顔で、あたしをみた。
「中絶は、父親にあたる人の同意書が必要です。よくお考え下さい」
女医は、それだけ言い残すと、病室からでていった。
同意書?
あたしには必要ない。
この子の親になるなんて面倒な事、したくない。
人は子供を愛の結晶というけれど、
あたしにとって、ななかは愛のない駄作だった。
最初のコメントを投稿しよう!