小さな命

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あたしが店でコーヒーを飲んでいると、しばらくして和史がやってきた。 和史は、今時のお兄系の男。一見、ホストかと見間違えるくらいだ。 ルックスはいいから、女がほって置くはずがなかった。 「なーつみ♪」 明るい声で、和史が話し掛ける。これも、女を口説くテクニックの一つなんだろう。 「ごめんね、いきなり。バイトだった?」 「いや、連れとパチンコ。また負けちゃったよ~」 屈託のない表情で 和史が笑った。 あたしも、つられて笑みがこぼれる。 「何か頼む?」 和史に聞く。 「うん、コーヒー」 あたしは、ウエイターを呼び止めて、コーヒーとミルクティーを頼んだ。
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