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「俺の夢は、自分の作った曲を奈乃花に歌ってもらうことだった。あの頃は、夢は何でも叶うって無邪気に思ってるだけの子供だったけど、今は違う。夢を実現させるって、大変なことで、いろんな困難があると思う。父さんが死んでから、それが嫌ってほど分かったよ」
「イチ…」
「でも、俺、ナノカとの約束思い出して、おまえの歌を聞いて思ったんだ。夢は実現させられるって。一人ではできないことでも、二人でなら叶えられるって」
「……」
「ずっと忙しくて、この町にも戻ってこれなかったけど、俺だって、ピアノあれからもっと練習したし、曲だって考えてたんだぞ。なぁ、ナノカ。もう一度、一緒にその約束を果たしてみないか?」
「!!」
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