5)約束

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 驚く奈乃花の両手を、一夜は強く優しく握った。  「光が見えなくて怖いなら、俺がおまえの光になってやる。お互いの夢を叶えて、一緒にいろんなものを見よう」  「イチ…」  「嫌、か?」  奈乃花は目を閉じ、首を左右に振る。  「…しばらく考えさせて」  「…分かったよ」  家への帰り道、二人は一言も言葉を交わさないまま、そっと手をつないで歩いた。
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