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あの日、僕は見てしまった――。
橘くんが、親友である要くんに、殴られているところを……。
『な、んで…?』
最初はただの喧嘩かと思ったんだ。
でもちがうと気付いた。
一瞬驚いた顔して、それから皮肉にぐにゃりと歪んで雫が零ぼれ――…。
あんなに辛そうで、今にも大声で泣き出しそうな君の顔を……。
僕はその日から一時も忘れることはなかった。
学年の中でも1番人気があって誰からも好かれ幸せそうに笑っていた君が、僕に見せたのは涙に濡れ、本気で悔しそうな顔だったから……。
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