アカシア

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竣クンに連れられて行った場所は、あるビルの地下の倉庫で、バンドの練習しているところだった。 竣クンはギター&ボーカル、他のバンドメンバー、ベース・克弥クン、ドラム・三橋クン、次々と紹介された。2人とも竣クンと中学の同級生で、高校は別だった。 中学からずっとバンド組んでて、ジャンルはJ-POP。主に竣クンが作ったオリジナル曲をやっていた。 『で、さぁ。のんちゃん、キーボードやらない?』 『え!私がキーボード?』 『俺さ曲によってはキーボードもやってるんだけど、のんちゃんやってくれたら助かるし』 『でも、私、キーボードやったことないし、ピアノも下手だし』 『その辺は俺が教えるから』 そう言って、笑顔で見られると断れなくなる。あの頃と変わってない。 その日は軽く音出しをし、終った。 帰り道 『私、センスないって言ったのに何で?』 『だから誘ったんだよ。合唱部に引き込まれそうだったから』 『え?』 『あそこのピアノはのんちゃんには合わない。俺だってやりたくなくなったんだし』 『竣クンの変わり探しってこと?』 『そうだな』
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