8月② 不安と期待

6/6
245人が本棚に入れています
本棚に追加
/207ページ
次の朝、早く目覚めると、シンがすぐ横で眠っていた。 まるで、母親に怒られて、泣きつかれた子供のような寝顔。 「シン、起きて。わたしを抱いて」 思わず、言ってしまってから、シンを見ると、肩が小刻みに動いている。 「ほんとにいいの?」 満面の笑みで、わたしを見つめる。 あっ。起きていたんだ。なんか、この人には勝てないな。 もうどうしようも出来なくて、シンに思いっきり抱きついた。 そして昨夜何もなかったかのように、二人、ひとつになった。
/207ページ

最初のコメントを投稿しよう!