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騒がしくなった教室を三度カマちゃんが制する。
「とりあえず今決まっているのは9組との勝負があるということだけ。申し込まれたのは今日だから、まずは戦闘方法を決めちゃいたいと思います。」
そう前置きしてから戦闘方法について議論した。3組から提案する戦闘方法は以下の通りだ。
『使用教科は英語。戦闘方式は実技集団。採用テストは一学期の期末テスト。』
この条件で9組に掛け合ってみることとなった。今日の緊急会議はそこまで決めて終了となった。
教室を出て階段を下りていくと9組の奴らがいた。こちらを見てきたので3人で睨み返してやったら目をそらした。こちとら中学時代は色々と無茶をやってきたのだ。そこらへんの一般人にならガンつけで負けるはずもない。特に広太のはすごい。こいつには眼力とかいう代物が確かに備わっていると思う。それもものすごいヤツが。逆にサルにはその才能は皆無だ。奴の睨みじゃアリ一匹だって動かせないだろう。
帰り道、夕方になり、やや暑さのひいた土手のアスファルトを歩いていた。お決まりのどうでもいい話も一段落つくと、眼力のすごい広太が長い前髪をかきあげる手を止めた。
「9組が仕掛けてきたってことは、俺らを潰しにかかってきたのかな。」
独り言のようなそれに反応したのはサル。
「束になってかかってきやがれ!フルボッコにしてやんよ!って感じだよな!」
確かにその通りなので頷いておく。まあ、フルボッコにするのはお前じゃないがな。
「テルも頼むぜ。」
広太が少し後ろを歩いているテルに話を振った。
「ん?…ああ。頑張るよ。」
そうしてからテルは川を見た。このやる気なしオーラがテルの持ち味だ。
明日には全て決定するだろうが、俺たちは目の前にあるものを乗り越えるだけだ。それが高くったってやらなきゃならない。若干高ぶる気持ちに反して難儀なことに改めて気づいた。
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