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子持ちとはとても思えない彼女こそ,ダンテとバージルの母親,エヴァである。
「母さん…ダンテに部屋に出入りする時はドアを必ず閉めろって言ったのにまた開けっ放しにしたんだ。口で言っても解らないなら身体で分からせようと…。」
「なんだよっ!!ドアなんて開けてようが閉めてようが変わらないだろ!」
「何の為にドアがあると思うんだ?廊下の冷気が入らないようにする為だろう?ドアを開けっ放しにしていたらいつまでたっても部屋が温まらないだろうが。」
外は木枯らしが吹き,夕日は沈みかけていた。明らかに季節はもうすぐ冬を迎えようとしている。
「…………。」
正論を言われて悔しいのか,ダンテは目だけは横を向きながらふてくされた顔をする。
「バージルの言う通りよ,ダンテ。次からはちゃんと,気をつけてね?」母は困ったような顔をしつつ再びキッチンへと戻った。
「ごめんなさい,お母さん!!!」
ダンテは母に向かって笑顔で言う。
「俺には謝らないのか…?」
バージルが軽く睨みつけるようにダンテを見つめる。
「嫌だね!!謝って欲しいならもう少し優しいやり方で叱りな!!」
「優しいやり方か…。ならばこれでどうだ?」
バージルは暖炉の上にかけてある日本刀を素早く持ち出し,腰の辺りに構えた。
「刀は抜かない。家の中だからな。これでならお前に手加減ができる。」バージルが口の端をあげてにこりと笑う。
「だったら俺はこれで行くぜ。バージル,お前の剣技はこれで跳ね返す!」
ダンテが持ち出したのは剣では無く………………銃だった。
ハンドガンにしてはとてつもなく大きく,大人でも両手で持つのが精一杯だろう。肉厚であり,グリップ,トリガー・ガードなどの細かい部分が精密に改造されている。明らかに普通の銃ではない。
黒曜石のように光るその銃を両手で構え,ダンテが不敵に笑う。
「弾は抜かない。壁に穴でもあいたら,母さんに叱られるからな…。行くぜ,ショータイムだっ!!」
「望む所だ!!」
再び2人がぶつかりあおうとした,その時!!!
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