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「ダンテ,バージル,晩ご飯が出来たから運ぶの手伝って…………」
「…………………。」
バージル,ダンテが母を,母は2人を見つめ合う。
母はシチューの入ったお鍋を持ちながら。
ダンテは銃をバージルに向けながら。
バージルはいつの間にか日本刀を元に戻し,その場に立っていた。
それに気付いたダンテが叫ぶ。
「なっ!バージルいつの間に?!」
バージルは右手の人差し指を左右に降りダンテに笑顔を向けた。
まるで作戦通りとでも言うように。
「ま,まさか俺が母さんに叱られるように仕向けたんじゃ………。」
ダンテが恐る恐る,母の方を見る。
母はため息を付きながらお鍋をテーブルに置いた。
「ダンテ……それはお父さんの銃でしょ…?元に戻しなさい…。」
ダンテはうつむいたまま,銃を元にあった場所に戻す。
「バージルも,ダンテをあまりからかっては駄目よ?2人とも協力しあって仲良くやりなさい…。」
バージルがダンテをハメようとしていたのはどうやらお見通しだったようだ。
バージルもバツの悪そうな表情をしている。
2人を見つめながら母は言った。
「来週は何の日だか知ってる…?」
バージルが応えた。
「俺たちの…誕生日。」
「お母さんが去年の誕生日に言ったこと覚えてる?」
「…1年間2人で喧嘩しないで協力して仲良くしてたら…」
「「このアミュレットをあげるわ」」
ダンテとバージルが同時に言った。
母の首元で,赤く輝く宝石のようなものがはめ込まれたアミュレット。
これこそ2人が毎年,求め続けた物だった。
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