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何故2人がこのアミュレットを欲しがるのか…。
事の発端は数年前,伝説の魔剣士であり,父であるスパーダの言った一言からだった。
「バージル,ダンテ…2人共,自分に足りないものは何かを理解しているか?」
2人は剣の手合わせを止め,父親の方を見る。突然の質問に若干の動揺を隠せない。
父は大きな樫の木に寄り掛かり,腕を組みながら言った。
「バージル,剣の基本を答えてみろ…。」
バージルが額にかいた汗を拭い,答えた。
「剣の基本は,心,技,体。これら3つをバランスよく,かつ最大限に引き出せる者こそ,一流の剣士である。」
「正解。剣士としての心得をしっかり習得できているな。」
スパーダはニコリと微笑んだ。その表情を見て,バージルも嬉しそうに笑う。
「では,次はダンテの番だな。」
ダンテは手を腰に当てて得意気な顔をしている。いつでも来い!とでも言っているかのようだ。
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