第1章~父と娘の対価(いのち)~

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そしてマッチに火を点けタバコに翳したと同時にマスターがビールの瓶を持って男の元へとやってきた。 「待たせたな」 マスターは無愛想にそういうとビールの瓶をカウンターへと置いた。 男はそれを目だけで確認しタバコに火を点けると腰に掛けてあった袋から2枚の硬貨を取り出したカウンターへ置いた。 そしてカウンターに置かれたビールの瓶に手をやり飲み下す。 余り冷えていないが今日のこの暑さの中では生き返るような冷たさだった。 男は1口だけ飲んだビール瓶を指先だけでフラフラと揺らしビールで潤った喉の感触を楽しむ。
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