22人が本棚に入れています
本棚に追加
少年『…奴らが来る』
少年は言った
少年『…死にたいならそこにいて』
少年『生きたいならここに隠れて』
少年の後ろには鬱蒼とした草村
なぜだろう?…
彼の言葉はすぐに信じる事ができた
少年『…隠れて』
少年の言葉を信じて草村に身を隠す
しばらくすると馬の足音が地を通し聞こえてきた…
少年『…』
少年『…あれ』
少年は示した
僕は草村の隙間を覗く
馬の足音は確実にこちらに近付いてきている…
「…!?」
「炎の紋章!?敵…!?」
足音が止んだ時、目の前にいたのは背中に炎の紋章を宿す帝国兵士だった
帝国兵は僕を血眼になって探している
帝国兵『…奴は近くにいるはずだ!』
帝国兵『馬の無い奴に遠くに行く手段などないのだ!!』
帝国兵『探せ!奴を逃すな!!』
帝国兵士の握る槍は雨に濡れて怪しく光っている
恐怖が僕の心を蝕んだ…
「…あの」
「どうして…?」
「どうして分かったの?」
少年は言った
少年『姫君が言った』
少年『…キミは生きろ』
少年『ここは危険…』
少年『…来て』
最初のコメントを投稿しよう!