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「そんなの、関係ないじゃん? 私としては……ライバルが増えるのは宜しくない。……けれど、ね?」
……何故?
何故、何故、何故……?
「友達なら……私は増えるのが嬉しい。瑠美ちゃんは……どうかな?」
何故、彼女――雪は、笑いながらそんなことが言えるのだろうか?
私は、少なくとも雪みたいに笑いながら、友達という言葉は出ない。
「……な、何故? 私は……私はッ! 貴女の友達になる資格も……意味もッ! ……全て、無いのですよ!? …………なのに、どうして……?」
あぁ――気が付けば、私は泣いていた。いつもと違う反応に、戸惑って……嬉しくて。
「何故かって? ――私が、なりたいからよ。瑠美ちゃんの……お友達に」
嬉しそうに、楽しそうに、私の言葉を期待している……雪。
私は、彼女の言葉に答えなくちゃ――なのに。
なのに、なのに、なのに……どうして?
「もぅ……涙、拭きなよ。瑠美ちゃん」
涙が止まらないのです。……もう、出ないと思ってたのに……。
「……雪さん、お友達作るのに。私を仲間外れに、されては困ります……」
確か、朱美……だっただろうか。健一君の妹だそうだが……。
「ごめんね、朱美ちゃん。――いや、寝てたから……起こすのもねー」
雪は苦笑していた。
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