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「留美ちゃん、まさか健ちゃんを狙って……?」
「い、いやっ。そ、そんなことはな、ななななな……無いですよ!?」
感情を出しまくりだと思う。
いっそ、素直に自分の感情を出せば楽になると思うんだけどなぁ……。
「ふーん。まぁ、怪しいけどいいやっ」
良いんだ……。
雪は笑いながら、僕が出た脱衣所に入っていった。
「……雪さん、が……お兄ちゃんの、後に入る……ずるい……」
「なっ、雪さんはそのつもりで話を流したの!? ここでぼーっとしてられないわっ。私達も入りましょう!」
彼女達が怖いです。
そこまで僕に執着するのが、かなり怖くて。僕は苦笑しながら部屋に戻った。
明日はきっと、賑やかになるだろう。いや、今日から賑やかだったけどね…。
「まぁ、少しだけ読書でもしようかな」
下ではお風呂場で騒いでいるような声が響いていた。
僕しか居ない、僕の部屋は静かで、いつの間にか読書をやめた僕は夜空を眺めていました。星が輝いていた。
あの頃……僕が一人で暮らすことになったあの時……寂しく感じ始めた。それでも、次の日には雪や朱美が。
数年たったけど、今日は留美がやってきた。
「なんだ、今の僕……とっても幸せじゃないか……うん、明日も頑張って過ごそう!」
静かになった僕の家。皆寝たのだろうか……僕も、布団を敷いて寝ようかな。
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