小薔薇戀謌

『ごしゅじん』

『ごしゅじん』がこのお屋敷を出ていく事が決まった。
アタシがその事実を知ったのは他のミニ薔薇たちがその事を話しているのを聞いたからである。
まだ出ていくまで期間はあるらしい。が、いつかはアタシを置いて遠くへ行ってしまう。
『ごしゅじん』の姿が見られなくなる。

そう考えるだけでアタシの胸は締め付けられる思いだった。
そして私は、決心をしたのである。