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「ただいま。」
「お邪魔します。」
僕はパーカーを家に上げ、居間へと招いた。
「友喜、お友達も一緒なの?」
二階から母さんがパタパタと軽く駆け降りてきた。
そして、予想もしていなかった客人を見て動きが止まった。
「母さん、小学生の頃文通してたパーカーくんって覚えてる?」
僕の問いかけに合わせるようにパーカーは笑顔で頭を下げた。
「え、ええ。友喜と一緒に英語で手紙を書いた子でしょ?えっ…その、パーカーくんなの!?」
「初めまして。パーカー・メイヤーです!」
「あっ、ヤダ、ホントに!?」
「僕もいきなりだからびっくりしたよ。」
それから僕は今までのいきさつを説明し、パーカーを僕の部屋に招き、パーカーと連絡が取れなかった8年の事を話した。
するとパーカーは物凄く嬉しそうな顔をしていた。
「ねえ、パーカーはどんな8年だったの?」
「僕?僕は…ほとんどがベッドの上だから…」
「あ、そっか。でも前より良くなったみたいでよかったね。」
「うん。何回も手術を受けたけどね。」
「本当に大変だったんだね。」
僕の言葉にパーカーは俯いた。
「あ、ごめん。辛いことを思い出させちゃったかな…?」
「…ずっと、僕は信じてきたんだ。」
「え?」
「元気になって、絶対トモキに会うんだって。」
パーカーは手紙の封筒の中から一枚の写真を取り出した。
そこに写っていたのは8年前の僕だった。
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