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指輪のケースに大事に指輪をしまうと、俺は洗濯をする為に、洗面所に向かった。
……な、何とか間に合った…。
五時半に起きてるのに、どうしてぎりぎりになっちゃうかなぁ?
俺が机に突っ伏していると、亮太が声をかけてきた。
「川瀬、大丈夫か?」
「亮…葉山…そりゃ朝早いんだから、キツイに決まってるだろ?」
「お疲れ」
当たり前だけど、学校では俺は旧姓で通しているけど、たまに自分の名字だって忘れる事がある。
そして、亮太をたまに名前で呼びそうになるんだ。
家ではみんな『葉山』だから、どうしても…ね。
「今日の弁当は唐揚げ入ってる?」
亮太がこっそり耳打ちしてくるから、俺もこっそり耳打ちで返す。
「ちゃんと入れたよ。あんなにうるさく言われたら、入れるしかないじゃないか」
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