16歳の奥様

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指輪のケースに大事に指輪をしまうと、俺は洗濯をする為に、洗面所に向かった。 ……な、何とか間に合った…。 五時半に起きてるのに、どうしてぎりぎりになっちゃうかなぁ? 俺が机に突っ伏していると、亮太が声をかけてきた。 「川瀬、大丈夫か?」 「亮…葉山…そりゃ朝早いんだから、キツイに決まってるだろ?」 「お疲れ」 当たり前だけど、学校では俺は旧姓で通しているけど、たまに自分の名字だって忘れる事がある。 そして、亮太をたまに名前で呼びそうになるんだ。 家ではみんな『葉山』だから、どうしても…ね。 「今日の弁当は唐揚げ入ってる?」 亮太がこっそり耳打ちしてくるから、俺もこっそり耳打ちで返す。 「ちゃんと入れたよ。あんなにうるさく言われたら、入れるしかないじゃないか」
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