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「…ネロ」
クレドが手を出すと、素直に繋いでくる。結局ピーピー泣いているネロを連れて帰る羽目になる。
「隊長ー、また泣かしたんですかー?」
「いくら可愛いからって、駄目ですよ~」
「うるせえぇ!」
一喝すると冷やかした剣士はササッと何処かに行ってしまう。手を繋いだネロは泣き止む様子すらない。
「ネロ、いい加減泣き止まないか。な?」
しゃっくり混じりに、どうにか泣き止み、クレドの袖を掴んで歩く。
「あ、そうだ。
俺、今日当直なんだ…」
「一緒に居る」
即座にそう答えるネロ。
元々孤児でクレドの家で一緒に暮らしていたのだ。クレドの妹のキリエとも仲が良い。
「お前なぁ…」
クレドの袖から手を離したかと思うと、ネロはその場にしゃがみこんでしまう。孤児のトラウマが今でも消えないのだ。
「…一晩大人しくできるか?」
「…ぅん…」
ネロの頭をくしゃりと撫で、少し笑顔を見せるクレドに釣られて、ネロも笑顔を見せる。
夜になり、隠れる様に当直室に入るネロ。そそくさと簡易ベッドに潜り、クレドが来るのを息を殺して待つ。
「…ネロ、居るか?」
ドアを閉めると同時に小声でネロを呼ぶクレド。
嬉しそうにベッドから顔を出すネロの姿を
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