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この件について―。
私は、夫も交えて、
ジックリと話し合う事にした。
とりあえず、
事情を詳しく説明する。
…すると夫は、
落ち込む息子に、ズバリと言い放った。
「フットサル~?
ん、お前には無理!
向いてない―!!」
おいおい…。
いきなりバッサリか―。それはちょっと、
可哀想じゃないか?
傍らで私が、あからさまに眉根を寄せていると、夫は涼しい顔で続けた。
「だって、お前さ―。
サッカー分かるか?
ただボール追い掛けて 走ってりゃいいって
もんじゃないんだぜ? ルールとか、ちゃんと
知ってんのか?」
「…ルールは…まだ良く わかんないけど。」
「…『けど』?」
「俺…本当は、ちょっと フットサルとか、
やってみたいんだ。」
長男は、
ションボリ呟いた。
…だよね。
そんな気はしていたょ。
だけど、
『立ってるだけでいい』なんて、最初から全く
アテにされてない様な
セリフを突き付けられたら――。
……そりゃ誰だって、
やる気無くすよね。
うんうん。
『本当はやってみたい』という気持ちがある事は私にも分かっていた。
確かに長男は、
『運痴』でドン臭い。
だからと云って、
小学1年生の運動能力にさほど大差があるとも、思えない。
ちゃんと指導を受けて、一生懸命に練習すれば、長男だって、何とかなる様な気もする。
ルールだって、やってる内に覚えるだろうし…。
それに。
『知らないから』こそ、
やってみたいんだろう。
ちょうど良い機会だし、
ちょっとやらせてみても良いんじゃないか…と、私は考え始めていた。
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