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「大会なのに、そんな
いい加減でいいの?
学校側は放置かぃ!」
「コーチも着かずに、
子供達だけで練習??
なんだょ、それ!
ハナから、全然やる気 ねーじゃん。」
我々夫婦は、異口同音に異義を唱えていた。
もう~。後から後から、不平不満が沸き上がって来る。
いくらサッカー好きな子を集めたところで、
所詮は、小学1年生―。
自主練習で上手くなるとは思えない。
チームワークを語る以前の問題だ。
募集はするけど、指導はしないときたか―。
ヒヨコ集めて餌も無し…という状態ではないか!
学校側の対応は、
あまりにも無責任だ。
そんなもんに、
イチイチ振り回される、コッチの身にもなれ―と言いたい。
…全く、勘弁してよ、
アホらしい。
呆れた実情を知り、我々夫婦の考えは、一気にまとまった。
「無理して出なくても いいんじゃない?」
私の言葉に、夫も、両手を挙げて賛同した。
「どうせ、ロクな練習にならねーよ。
やめとけやめとけ! サッカーくらい、パパが教えてやるよ。」
おぉっ!
言ったな、夫よ!!
本当に、サッカー教えてやるんだろうね?
散々期待させといて、後で、しらん顔しないでおくれよ――頼むから!
『パパが教えてやる』と言われて、長男の表情は一気にパァ~ッと、
晴れ渡った。
「じゃあ明日、ハッキリ断わって来る!
だから、サッカー教えてね、パパ!」
………だが。
長男の悲劇は、
これで『終わり』では、
なかったのである…。
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