もっと!シメる夫!! 【長男の章】

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人混みの中――。 一年生の黄色い帽子は、 よく目立った。 私は、 黄色い帽子を頼りに、 懸命に長男を探した。 常時、折り畳み傘を持たせてあるので、別に、 わざわざ迎えにくる必要など無いのだが…。 こんな風に、 雨が強さを増して来ると何だか急に心配になり、 迎えに行ってあげたく なる。 夫は、そんな私を、 『過保護』だと言う―。 確かに。 共働きだったら、中々、こうはいかないだろう。 まぁ、過保護っちゃあ、 過保護だ――。 やがて向こうから、 トボトボ歩いて来る長男の姿が見えた。 『おーい!』と手を振ると、私の姿に気付いて、 ドタドタ足を鳴らしながら近付いてくる。 「㊤君、バイバイ!」 不意に後ろから、力哉君が駆けて来て、擦れ違い様に長男に声を掛けた。 が――。 長男は、彼に無言で手を挙げただけで、挨拶を しなかった。 …??? なんだなんだ? 一体、どうした?? 友達に挨拶しないなんて長男にしては珍しい。 何やら、ふてくされた顔をしているが……。 またまた、問題発生か? この険悪な雰囲気…。 嫌~ぁな予感がする!
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