12/14
前へ
/502ページ
次へ
久しぶりに来た公園を一周してみた アッという間に一周してしまった こんなに小さな公園だったのか あの頃は、広くて暗くてとても怖い公園だったのに 叫び疲れた私が、いつも横になっていたベンチにあの頃と同じ様に寝転がってみた 星空を見上げながら、幼い私を思う 私は…… この星空が嫌いだった 星が見えている間は、家には帰れない 明るくなれば、母親は仕事に出掛ける 母親が出掛けた後に、まさやが小走りで迎えに来てくれた 「お姉ちゃん、ママ出掛けたよ一緒に帰ろう」 私の為にと、自分の朝ごはんを半分残し、いつも迎えに来てくれた 私はまさやが大好きだった とてもとても大切だった 私の大切な大切な、たった一人の弟だったのに……
/502ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26430人が本棚に入れています
本棚に追加