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後ろに弾き返された尾にふりまわされ、たたらを踏むヴァルハイド。
ロインは競り勝った勢いを殺さずに体をそのまま一回転させ、やつの頭目がけて斬りつけた。
しかし冷静に。ヴァルハイドは一歩前へ出て、横から来る剣の腹に真上から頭突きを当てる。
自分の皮膚装甲に絶対の自信を持ちあわせ、なおかつ大剣の動きに合わせてその腹を叩くなど……。
ロインの放った斬撃は虚しくも叩き落とされ、切っ先が大地に刺さった。
間髪入れず人間など一息に丸呑みしてしまうほど大きな口を開き、目の前にあるものを噛み砕こうとするが、ロインは真上にジャンプしその攻撃からうまく逃れた。
ヴァルハイドの無防備な頭を踏み台にしたロインはそのおかげで大剣が地面から抜けたようだ。
背中に移動し斬り付けようとする。違和感を感じたヴァルハイドがやたらめったらに暴れるためひとまず背中から飛びおりた。
着地を見計らった尾の攻撃が来る。左に、右に、左に、右に交互にしなる鞭のような尾を、ロインはしっかりと大剣の腹で受け止めていた。
「またまた尻尾をちょん切るぞコラぁぁぁ!!」
バカなロインが吠える。
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