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「まるで祭壇だな」
神を祀るのに使われそうな、そんな雰囲気があった。
徐々に頭の霧が晴れる。いつもの俺を思い出せ。今一番必要なのは状況の把握。場所の把握も一つのうちだが、先にやるべき事ではなかった。
まずは敵の有無。あたりの様子から。
大丈夫、誰もいない。研ぎ澄ました感覚が危険因子が皆無な事を告げる。
次に場所の把握だが、これは最初にやったからもう大丈夫だろう。だだっぴろい、火山か何かの地底だろうか。それ以上の事は情報が少なすぎる。不思議なのは暑さを感じない事。まぁそれも、感じないなら感じないでいいか、で終わってしまった。
体に痛みはなかった。怪我はないのか?腕を足を、全てを確認すると、安堵のため息が出る。しかし気がかりなのは防具はつけているのに武器がない、という点だ。なぜ、と問う前に俺はここに来る前の事を思い出そうとしていた。
確か……ニイナと龍と戦ってて、たぶん森にいた。いや、違うな。最終的には海へ出たはずだ。なら、なおさらここはどこだ。
わかったのはこのくらいだ。わかっていないに等しいが、それでも赤い海には見飽きたのでとりあえず出口を探そうと踵を返した時だった。
ちゅどごぉぉぉぉぉぉん!!
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