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露になったのは龍【ドラゴン】。
その姿は紅く、赤く、朱く。
燃え盛る焔のごとく一つとして同じでない赫い偉容。
わからない。どう表現していいのかわからない。そもそも、今目の前にいる“モノ”をヒトの創り出したちっぽけな言葉で綴ってしまってもいいのかすら疑わしい。
それほどまでに神神しく、また総てにおいて超越した圧倒的存在感と威圧感を“ソレ”は有していた。
猛々しく燃える焔をそのまま圧し堅めた装甲、四脚に一対の翼を持つというドラゴンと同じ形態をしている。しているが、ドラゴンという一つの種類で枠をしていいのだろうか。
違う。今いるのは確実に翼龍の中で最強であるヴァルハイドなんかと比べ、地と月ほどの隔てがあるように見えた。見えたのではない、事実そうなのであろう。
ドラゴンや翼龍と言った種族ではなく、“ソレ”一つで一種の、単一の種族。
単体で総て。
……いや、待てよ。
ドラゴンと同じ形をした“ソレ”は俺が見てきた龍よりかは一回りは小さい。しかも刃物のような鋭角な躯や四肢や尾を。四肢に至っては全て脚かと思いきや違った。
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