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「足は組んでていいからさ」
その言葉を聞くとファタルガオラは下に向けていた顔をパッとこちらに向けた。その表情はどこか嬉々としたようにも見えた。
あ、仲良くなれそう。
「とりあえず、色んな疑問があるわけで。掻い摘んで説明してってくれない?」
ああだこうだと変な事で話が進まないのもまどろっこしい事この上ない。
『よし、心得た』
ファタルガオラも気前よく承諾してくれたところで、さて、何から聞こうか。
「じゃあ、ここは?」
まずはコレだろ。
俺がどうやってこのような場所に来たのか。ここが何なのか。
ファタルガオラは足を組み直してから言い始めた。
『ここか。ここは場所であって場所ではない。王のよく知る、王のみが有する所。以上』
目を閉じて静かに話すファタルガオラ。それに対し俺はニッコリと笑って返した。額にはいくつもの青筋をたてて。
「わかんねぇよ。回りくどい」
『むぅ……。なら、“精神世界”と言えばわかるかな?』
「精神世界?何、俺の精神ってこんなにメラメラどろどろなわけか?」
自分的にはあっさりサバサバした性格だと思っていたのに。これじゃあ魔法学院に通う思春期の女子みたいじゃねぇか。
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