~ 炎 ~

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――今から約三千年前。     太古の昔から存在した竜の中でも飛び抜けて自らの属性が特化した竜が八体いた。     アルカルト大陸ではない、どこかの国ではその八体の竜の事を八岐大蛇【やまたのおろち】とも言うらしい。     まぁその話はおいといて。その八体の属性は火、水、風、土、雷、闇、光そしてどの属性とも異なる能というものがあった。     能は全知全能。全ての能力を兼ね備えた、八竜でも異種の属性で無属性とも呼ばれる事もあるとか。     能竜は誰よりも強く、誰よりも生きる物を愛し、そして偏りなく助けた。能竜は七竜の長となる。     八竜達はあまりにも超絶したその力ゆえに、古来より種族の壁を越えて神として崇められてきた。     しかし、ある時八竜の一つ、異能にして異端の竜、能竜ティアマトが自らを邪竜と呼び世界に牙を向けた。     これが後に邪竜大戦と語られる戦争の始まりである。     邪竜ティアマトと、邪竜に賛同した邪竜軍を抑えるべく紅蓮竜ファタルガオラを筆頭にした七竜と、生きとし生ける物とが動く。     世界規模で起こった戦争は熾烈を極めた。   空が割れ、山が砕けた。大地が悲鳴を上げ、海が蒸発し、それでもなお戦いは続いた。
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