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『フェルナムル……』
やかましいぞ。
『……』
ヴァルフレア。なかなかいいネーミングだと思う。
男として生まれてきた以上、必殺技には憧れがある。
「むっふっふっふっ」
嬉しさのあまり笑みを浮かべる俺は傍から見れば不気味極まりない笑みを浮かべている事だろう。
『浮かれている所申し訳ないが、あやつも復活したようだぞ』
ファタルガオラの声に苦しみに悶えていたヴァルハイドの方に目をやる。
「さっすが、王者って呼ばれるだけはあるな」
佇む姿は堂々そのもの。
負わせた怪我の事など無かったかのように、二本の脚で力強く立っていた。
さてどうするか。ここで闘えば先ほど同様、ニイナが危ない。今は俺に対して注意がいってるからいいものの、ニイナが生きてるとわかれば標的を変えるかもしれんしな。
とりあえず、ダッシュ。
右手にある森の方へ俺は駆けた。相手がどう考えているかわからんが、俺なら障害物のある方へは猛ダッシュをかまそうとは思わない。避けられた時に突っ込むのが嫌だからな。
しかし俺の予想を裏切るようにヴァルハイドはこっちに向かって突っ込んで来た。
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