~青年と少年~

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              「おっ、久しいなロイン!!元気にしてたかー?」     ドアを開けてすぐにどでかい声が店一杯に響き渡った。     起きたばかりの俺にとって着いていけないテンションの高さに、顔を少々引き攣らせながらいつものやり取りをする。     「おっちゃん。声でかすぎ。もっと小さくでもいいぜ」   「ゲハハハハ!元気で何よりだろ?」   「はいはい」   「お前さんが自分の家で暮らすようになったはいいが、前はここに泊って毎日のように顔出してたんだ。前と比べると少し寂しいんだぞ?」   「そんなもんかね~」     カウンターに腰かけながら適当に相槌をうつ俺。     店には屈強そうな戦士風の男が数人、昼間から酒を傾けていた。全員ギルドの仲間だ。     「昼間っから酒なんて飲むなよなぁ。おっちゃん、俺ビール」   「人の事言えんのかよ!!」     飲んでいた一人がすぐさま突っ込んだ。いいね、この反応。何故か懐かしい気さえする。     「今日はどんな用なんだ?」   「別に用なんてないさ。 ただ単にここに来たいときもあるんだよ」   「ゲハハハ!そりゃ嬉しいね」     前々からだが、俺は何も用事がなくてもこの場所に来たりするのだ。     「今日はどんな依頼が溜まってる?」    
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