~青年と少年~

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ばあさんに被害はなかった。 じゃあ一体そいつは何者なんだ?さっきの文章からだと、まず形すら想像できやしない。     走ってきた……うーん?二足歩行?四足?しかもぶつかってきた……。     「大丈夫か?おい」     ぶつぶつ呟いていたらしい俺に対しておっちゃんが心配そうに声をかけてきた。     「お?あ、ああ」   「そんなに真剣にならなくていいと思うぞ?俺は」      言いながら、紙をもう一度板に貼っ付けようとしたおっちゃんに俺は、     「真剣ねぇ~……あ、その依頼引き受けるわ」   「えっ!!本当かよ、ロイン」   「おう。万が一ってのがあるからな」   「万が一ねぇ~」     おっちゃんは紙と俺を交互に見た後、溜息一つ、     「バレルばあさんの戯言だと思うんだけどなぁ」     と言いながらもその紙に請け負った俺の名前を書き込んでいった。     「ま、戯言じゃなかった時の事考えたら一応ってのは大事だろ?んじゃー、ちょっと行ってくるわ」     まずどこでばあさんとその影とやらが出くわしたかが知りたいな。外に出てから向かったのはイシュカの所。     イシュカがその噂を耳にして独自に影の情報を調べているかもしれないし、何よりあのバレルばあさんに話しかけるのが若干面倒くさかったりするからだ。     絶対服装を注意してくるのだ!あのばあさん。     ほっとけ!    
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