~青年と少年~

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ついでに言うならばイシュカだけでなくアモールにも用事があるからスラムに行くのは今の俺には非常に都合が良かった。     壊れた鎧と武器について話があるのだ。     戦闘途中で手放した武器はアエシュマの残骸の下から発見した。あん時はニイナ抱えるので必死になってて大剣のことなんざ気付いてすらなかったんだよ。     見つかった大剣はファタルの炎の攻撃に耐えきれずに表面ドロドロでひん曲がってたわ。     いやー、火に耐性のあるドラゴンですらファタルの炎には耐えきれないとかな……。     そりゃそうだけど。     歩いてるうちに目の前に建物が見えて来た。この裏っ側にスラムはあるんだけど、回り道するのがアレなので目の前にある建物を何度か足場に、俺は一気に跳躍した。     ごめんね、建物の住民よ。     思ってもいないことを心で呟いて、俺はイシュカの店の前に着くなり中にズカズカと入る。     中ではイシュカが暇そうにタバコをふかしているではないか。     「おっす」   「おぁー?ロインか、どうした」     早速ギルドで受けた依頼の事を話すとイシュカは「噂は聞いたけど確認はしていない」らしい。     「お前が自分から仕事しに行くとはな。しかもクライアントはあのばーさんなのに」   「なんか気になるんだよなぁ、この内容。ま、わかったら報告しに来るわ。んじゃな」   「あいよ~」    
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