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「できたぁぁあ!『アルマー』」
ロインが叫ぶと、声に応えるように地面に描いた魔方陣が光りだす。
光がまっすぐ上にのびロインを包むと、その頭上に地面と同じ形をした魔方陣が現れた。
それが回転し、ロインの頭の上からゆっくり降りて行く。
「うははは~、着やすい着やすい。しかも邪魔じゃねぇ。いい仕事してますなぁ、アモールは」
おおおお、初めて見た……ロインの戦闘装備。
ニンジンがプリントされたシャツにいつも見ている大剣と同じような材質でできた赤紫の籠手【アーム】と鎧【メイル】。
隅々までポケットの多い黒の動きやすそうなズボンにも膝あてがついていて、履いているブーツはあたしも知ってるブランドの製品だった。
腰の後ろには革のポーチがあり、手をだらんと下げた状態の位置に五本のナイフが左右に付いていた。
素人のあたしにでもわかるくらい機能性に充実した軽装備【ライトアーマー】タイプだ。
いつもわざわざ召喚魔法で出していた大剣は背中に見られた。
常にラフでだぼっとした私服しか着ないロインって戦闘になるとこんなぴしっとした格好するんだ。
……猫背とやる気の無さは変わらないけど。
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