綺麗な鳥はもう鳴かない

2/2
前へ
/169ページ
次へ
さぁゆけ!と突然僕の中に入って来た鳥はそういった。 白い鳥って幸せを運んでくれるってどこかの本で読んだことがある。(あれ?青だったっけ) …うん。 白鷺見てあれは吉兆ぞーとかっていつか見た大河ドラマでいってたし いいことが起こったら鳩飛ばすみたいだし。 でもその綺麗な白い鳥は幸運じゃなくて警察を呼んだ。 捕まったのは始めてだったからびっくりしたのを覚えてる。 はっきりいって大変だった。 ウラタロスがいなかったら捕まって姉さんに心配かけてただろう。 なんとか警察から出してもらえたからよかったけど。 ボロボロになりながらも安心しているとその鳥はまた僕の体を乗っ取った。 はぁ、とため息をつく。 不運なことしか起こってない。 鳥が幸運を運ぶなんて嘘じゃないのかな、なんて思う。 …でも、あの鳥の羽はすごく綺麗だった。 あんなに大変な思いをしたのにまた会いたいって思う。 あの、どこまでも白くて、どこまでも高貴なあの鳥に。 「…ジークがついてたのもよかったなぁ」 小さな呟きは僕についたイマジン達の騒ぎの元になった。 『綺麗な小鳥はもう鳴かない。』 (「り、良太郎!?」 「良太郎、鳥なんてやめとき!あいつは態度がでかいだけや」 「ね、良太郎、僕達だけじゃ不満なら話聞くよ?」 「…りょーたろーのすけこまし!!」 「ぇ?」)
/169ページ

最初のコメントを投稿しよう!

155人が本棚に入れています
本棚に追加