嫌いだよ本当に

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めずらしく僕の契約者の良太郎と二人っきり。 静かだ。 リュウタは(また隠れて連れて来た)猫達の所にいる。 キンちゃんは本格的に寝るために与えられた自室にて寝てる。(ずっと寝てたっていうのによくまだ寝れるよね) 今はいっつも煩い先輩もハナさんによって説教室行きでいない。(全くあの成長のなさはある意味関心するよ) 本来なら僕も自分の部屋でゆったり過ごしてる所なんだけど、ナオミちゃんが買い出しに行くということで留守番を頼まれて自分の部屋に行くこともできない。 最初は良太郎もいつもは賑やか過ぎる車内が静かな事に違和感をもって落ち着かない感じだったけどいまはのんびり僕の前に腰掛けている。 特にこれといった会話はない。 それを気にするでもなくむしろ楽しんでいるみたいだ。 彼の周りは暖かくて心地よい空気に包まれてる。 せっかくだしこの少年を観察する。 顔…はとても整ってる方だ(ま、だからこそ僕もついたんだけど) 釣ろうと思えばその辺にいる女の子達をすぐに釣れるだろう。 毎日頑張って体鍛えてるはずなのに代わり映えしない。…まぁ筋肉もりもりになった良太郎ってのも嫌だけど まじまじと見ていると気付いたのか良太郎はこちらに向かっていつもの困ったようなそれでいて包み込むような笑顔で笑った。 「どうしたの、ウラタロス」 その問いにどうもしないよと返して話を切る。 どうもしないといいながら観察を続ける僕にどうしたらいいのかわからないでいるんだろうまた苦笑した。 いつもの笑いかただ。 どんなに迷惑かけてもしかたないと笑う良太郎。 まぁやりすぎると怖いけど大体の事は笑ってすますのだ彼は。 (まぁ人様に迷惑かけると途方もなく…ハナさんなんて目じゃないほど怖くなるのだが) 今までの不幸人生が培ったもの、なのかもしれないと思う。 僕が逆の立場だったら腹立たしくてしかたないだろう。 「…あのさ、良太郎」 やっと声を発した僕にほっとしたのか微笑しながら何?と聞く。 そんな彼に僕も女の子達が見とれるような微笑作る。 …まぁ無駄かもしれないけど 「僕、良太郎のこと嫌いだな」 まるで明日の天気をいうかのように自然に傷つける言葉を発する。
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