愛したいと心は言っていた

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「ドS、」 「んあ?」 呼ばれた名に、顔を向ければ、一瞬にして唇を奪われた。 「…っ!?」 「いつか、一緒に住むアル!姉ちゃんの分も私、私…」 「いいよ、お前はお前でさァ。てか一緒に住む…って、大胆だな、お前。」 「?何が大胆…?…!?」 自分で言ったくせに、自分で赤くなっていくそいつに苦笑する。 「な、な、私は何もそういう意味で言ったんじゃないアル…っただ、お前が寂しいと思って…!!」 「うん、寂しい。」 へへーんなんて顔で、ニイッと笑って言えば神楽は更に頬を染めた。 仕方ないから手を繋いで、二人して走り出して学校に急いだ。 道は霜がおりてシャリシャリと音を立てる。 木々には蕾が芽吹き、新しい風が頬を打つ。 もう直ぐで3Zも卒業かな。 春の優しい空気が、俺らをずっとずっと、包んでいる気がした。 姉上、俺らは幸せな道を一歩一歩進んで行くから。 だから姉上、どうか安心して、見守っていて下さい。 END. →あとがき
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