愛したいと心は言っていた

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銀八が、テーブルを挟んだ目の前のソファに座った。 見てるだけで吐き気のしそうな飲み物を銀八はゴクンと一口飲んだ。 「沖田、」 「はい?」 「……。」 ついに本題に入るかと思って、黙ってたけど、銀八は一向に喋らない。 窓の外を見て、悲痛な表情を浮かべていた。 一体どうしたというのか。 こんな表情の銀八を、俺は初めて見た。 いつもひょうひょうとして気だるげで、ヘラヘラしてる奴が、今は違った。 「…お前、姉ちゃんの病気、知ってるか?」 「……え?」 病気? 何で、何で姉上? 嫌な、嫌な予感がした。 これ以上聞いちゃいけないような気がした。 それでも聞かなきゃいけないような気もした。 胸が押し潰されるような感覚がした。 「な、何を急に言い出してんですかい?姉上の病気って…だって、それは、快方に向かってってるって…」 「それは嘘だ。」 言われてる意味が理解できなかった。 何で嘘って分かる?何で嘘って決め付ける? 「は!?何言ってんですかィ!!?だって、俺は現に医者から直接言われたんですぜ!!?アンタが何を知ってるって…っ「だから嘘なんだって!!沖田、それは…医者がついた、嘘なんだって…」
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