愛したいと心は言っていた

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「え?何言ってんですか、僕が影薄いからってそんな冗談通じませんよ、休んでんのも分からなかった、なんてそんなに僕影薄くないですか「うるせーなァ~とっとと外行くぞ外!!」 遮った銀八の声に、皆がワラワラと教室から出て行く。 「何考えてるアル銀八」 「さあな」 「絶対にあれは何か企んでるヨ、」 「はは、そうだろうな…」 乾いた笑み。 最近、何故だか笑えない。 「?まぁいいや、行くアルよ、ドS、」 差し出された手を、パチンと弾いて。 先行くぜ~って言って走り出した。 待てヨくそサドがァー!!なんて追ってくるチャイナを、逃げるようにして外へ出た。 「今日は新八の復帰祝いっつー事で皆さんで記念写真を撮りましょー」 はー?えー? なんて各々から声が上がる。 バックには、我らが銀魂高校の校舎があって、先生が合図をした瞬間、その校舎から大きな垂れ幕がバサーッとつり下がった。 【三年Z組一同】 先生の、字だった。 大きな文字でそれだけ書いてあった。 その文字の周りには、ピンク色の絵の具の手形がびっしりとあった。 「ほらパッツァン、後はお前の手形だけだぜ」 「せ、先生…」 ペタンと付けた手形。 そういえば、ほんの二日前、銀八が皆に手形を求めていたっけか。
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