愛したいと心は言っていた

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ほっといてくれ。 皆の笑い声が聞こえた。 姉上の声が聞こえた。 はしゃぐ姉上を見て、命が短いなんて、そんなの嘘なんだとさえ思えた。 でもそれは真実なんだと。 受け止めなければいけない真実なんだと。 もうだめだ。 不安やら恐れやら悲しみやらで胸が破裂しそうだ。 何で、俺じゃなくて姉上が…姉上が、死ななきゃなんねェんだよ…。 「ドS!!!!」 「!!?…っ、」 グンッと力強く引かれた腕。 いきなりの事で反応が遅れて、目の前見たらチャイナの背中があった。 「な、何やってんでィ!!!ほっときなせェってさっき言ったばかり…」 「ふざけんなヨ!!!女見くびるのも大概にしろヨ!バカドSアホ!!!」 ズンズン連れて行かれる先は、何処なのか。 靴のまま校内に入って、授業中の教室を抜けてまだまだ進んでいく。 階段を上って、上って。 見覚えのある道に、いつか来た場所へと続く階段に、息を呑んだ。 バンッ!!と壊す勢いで開け放った扉。 付いた場所は、あの時と同じ、青空が綺麗に広がった、屋上だった。 「チャイナ…」 手を半ば突き放す勢いで離されて。
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