101人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
ほっといてくれ。
皆の笑い声が聞こえた。
姉上の声が聞こえた。
はしゃぐ姉上を見て、命が短いなんて、そんなの嘘なんだとさえ思えた。
でもそれは真実なんだと。
受け止めなければいけない真実なんだと。
もうだめだ。
不安やら恐れやら悲しみやらで胸が破裂しそうだ。
何で、俺じゃなくて姉上が…姉上が、死ななきゃなんねェんだよ…。
「ドS!!!!」
「!!?…っ、」
グンッと力強く引かれた腕。
いきなりの事で反応が遅れて、目の前見たらチャイナの背中があった。
「な、何やってんでィ!!!ほっときなせェってさっき言ったばかり…」
「ふざけんなヨ!!!女見くびるのも大概にしろヨ!バカドSアホ!!!」
ズンズン連れて行かれる先は、何処なのか。
靴のまま校内に入って、授業中の教室を抜けてまだまだ進んでいく。
階段を上って、上って。
見覚えのある道に、いつか来た場所へと続く階段に、息を呑んだ。
バンッ!!と壊す勢いで開け放った扉。
付いた場所は、あの時と同じ、青空が綺麗に広がった、屋上だった。
「チャイナ…」
手を半ば突き放す勢いで離されて。
最初のコメントを投稿しよう!