愛したいと心は言っていた

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肩を合わせたまま二人して笑った。 スッと離した肩に、目の前には目元を真っ赤にして笑うチャイナがいた。 「バーカ、お前目ェ擦りすぎなんでィ。」 「うるさい、擦ってないネ、拭いただけヨ」 「それを擦ったってんでィ、涙ボロボロ零して」 「うるさい、目に汗が入っただけヨ」 「なんで汗だよ、普通ここは埃かゴミだろィ、」 また擦ろうとしたから慌てて手を掴んだ。 「何アル、離せよ、痒みの地獄ネ、このままじゃアタイは痒みの地獄に溺れてしまうネー!」 「いいから黙れチャイナ」 「ふざけんなヨ!この痒みがどれだけ痒いかお前に教えたい位、地球が滅亡してしまうんじゃないアルかと思ってしまうくら…っ!む、…んっ!?」 うるさいと思ったから、口を塞いだ。 一瞬重なった唇は、柔らかくて、驚いた神楽の表情は、直ぐに赤くなった。 「な、な、いきなりアル!!」 「痒み、止まりやしたか?」 むむ、なんて言いながらコクリと頷いた神楽が、愛しいと感じた。 そのまま、また抱きしめて、目を瞑り空気を吸い込んだ。 ねェ姉上、姉上も、今幸せですかィ? 今俺と同じ気持ちだったらいいなァ いつまでも、幸せだったらいいなァ…
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