愛したいと心は言っていた

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「はい、神楽ちゃん」 「?何アル?」 「次に結婚するのは神楽ちゃんね。そーちゃんと幸せにね。」 「な、何言ってんですかィ!姉上!」 「あらそーちゃん、隠し通せると思ったの?もうバレバレよ。」 ふふん、って自慢げに言う姉上に、頬を微か赤く染める神楽。 楽しそうで。嬉しそうで。 ケーキにタバスコかけてパクパクと食べる姉上が、それを土方に食べさせて土方火吹いて。 時は刻一刻と過ぎてゆく。 無機質な時計の音がカチコチと音を立て、空をいっぱいにしていた真っ白い雲はいつの間にか消えてなくなり、風は段々と冷たくなって。 「今日は本当に楽しかったわ」 「そうですかィ、」 「明日もきっと楽しいアルヨ!」 「ヒューヒュートシにミツバどの!お幸せになー!俺もいつかお妙さんと…」 「私となァに?近藤さん」 「姉上、拳から煙出すの止めて下さい…」 「おーお前ら置いてくぞー」 「あ!先生ズルいアル!自転車なんて卑怯ネ!!」 すいすいと走る自転車にチャイナがしがみついて、やめろオイ!なんて銀八が叫びながらヨロヨロと自転車をこいでいた。 こんな日が、いつまでもいつまでも、続くといいと…、綺麗な夕焼けの中、皆で笑いながら帰ったよ。
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