愛したいと心は言っていた

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しあわせになってね しあわせにね 二人で助け合って生きるのよ 笑ってた 姉上は、笑いながら涙を零していた。 「十四郎さん、しあわせに、…しあわせになってね」 しあわせに、と言われた土方は、泣いていた。 ありがとう 楽しかったわ 先生、ありがとう みんなありがとう 楽しかったよ ほんとうに 「このクラスに、…みんなに会えて、…よかったわ…」 最後に、姉上はそう言った。 無機質な機械の音と、時計の針が耳をついた。 窓の外は、綺麗な月が沢山、瞬いていた。 「姉上、おやすみなさい…」 おやすみなさい また明日、明日も晴れるといいね。 姉上の作ったご飯を食べて、タバスコかけられたおやつを食って、土方さんが火吹きながら全部食べるんだ。 先生が何も知らずにそのおかしに手を出して、また火吹いて。 姉上はクスクスといつまでも笑ってるんですぜ。 ねェ姉上 姉上の笑顔、大好きでした。 大好きでした。
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