愛したいと心は言っていた

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その後は放課後で、外は見事な夕焼け空だった。 「沖田、ちょっといいか」 真剣な顔の銀八にそう言われ、姉上と帰るのを断念しながら土方と近藤さんに任せて渋々銀八の後についてった。 「ドS、一人で帰るのは寂しいだろうヨ、待っててやるネ」 「…たく、お前はもうちっと素直になれねェんですかィ、」 「何ヨ素直って、」 「いいや。んじゃ、待ってて下せェ」 ポンと頭に手をのっけたら、夕日に照らされたチャイナの頬が、更に赤くなった、気がした。 「用は済んだか、てか人前でノロケんな、先生はずっと扉で見てたかんね、存在消さないでよね、先生そんなに影薄くないからね。」 「はいはい、じゃあ行きやしょうかィ先生」 掃除ん時折ったホウキの事かな、もしかして。 だとしたら面倒くさい。 弁償とか言われんだろうか、面倒くさい。 なんて。 そん時ばかりはそんな風に、廊下を歩きながらボーっと天井眺めてた。 「先生」 「あ?」 「掃除ん時、チャイナと何話してたんですかィ?」 「ププ、なになに、嫉妬ですか総悟くん?」 「ちげェよ、ちょっと、気になっただけでィ」 「安心しなさい、先生は生徒に手は出しませんよ、」 「だから、ちげェって!」
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