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母は『死んだ』。
もう二度と、私の前に現れることはない。
母の声も聞くことはないし、母に触れることもない。
母に何も相談できないし、報告もできない。
嬉しかった事も、悲しかった事も、母ともう分かち合うことはない。
したくても、できない。
私にとって、母は温かくて、大きい存在だったのに。
「お母さん…。」
誰もいない部屋。返事が返ってくる気配もなく、自分の声が静かに響く。
出しきったはずの涙が、頬をつたった。
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