◇始まりの旋律

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  「……うーん。 わからないならいいや。 じゃ、アゲハまたね」 「はい」 手を振りながら 微笑んで去る彼に、 アゲハも微笑み返した。 そして、 自室に戻ろうとした時だった。 「……?」 何処からか、 ピアノの音色が聞こえてきた。 足を、止めた。 繊細に、美しい、旋律。 思わず、聴き入ってしまう。 アゲハは、 誰が弾いてるのかと思い その場所へ向かった。 「……ここから?」 着いた場所は、 今は屋敷内では使われていない 部屋だった。 そっと扉に手を伸ばし、 開けてみた。 そしてそこには、 ピアノを弾く 一人の、男。 .
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