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「……うーん。
わからないならいいや。
じゃ、アゲハまたね」
「はい」
手を振りながら
微笑んで去る彼に、
アゲハも微笑み返した。
そして、
自室に戻ろうとした時だった。
「……?」
何処からか、
ピアノの音色が聞こえてきた。
足を、止めた。
繊細に、美しい、旋律。
思わず、聴き入ってしまう。
アゲハは、
誰が弾いてるのかと思い
その場所へ向かった。
「……ここから?」
着いた場所は、
今は屋敷内では使われていない
部屋だった。
そっと扉に手を伸ばし、
開けてみた。
そしてそこには、
ピアノを弾く
一人の、男。
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